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映像送信型を届出なしで営業したときの罰則

更新日 2026年10月24日 | グローリー行政書士事務所 行政書士 武田 蓮

届出をしないで映像送信型性風俗特殊営業を営むと、6か月以下の拘禁刑か100万円以下の罰金、またはその両方の対象になります(風営法53条5号)。届出書にうその内容を書いたときも同じ重さです。従業者が違反したときに、法人や雇い主にも罰金を科す決まり(57条)もあります。

無届営業の罰則は風営法53条5号

映像送信型性風俗特殊営業を営もうとする人は、事務所の所在地を管轄する公安委員会に届出書を出さなければなりません(風営法31条の7第1項)。期限は、営業を始める日の10日前までです(施行規則58条2項)。

この届出書を出さないで営業したときの罰則は、風営法53条5号にあります。刑の重さは「6か月以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金」で、両方を同時に科すこと(併科)もできると書かれています。

拘禁刑(こうきんけい)は、刑事施設に入る刑です(刑法12条)。2025年6月1日から、刑法などの改正にともない、風営法の刑の名前も「拘禁刑」に改められました。条文に書かれているのは科すことのできる刑の上限で、実際の刑は、事情に応じて裁判所が決めます。

届出書を出していても対象になる場合

届出書や添付書類にうその記載をして出したときも、53条6号で同じ重さの罰則があります。たとえば、実際に営業をする人ではない人の名前で出すなど、事実と違う内容を書いた場合です。

また、警察庁の解釈運用基準は、添付書類を付けずに届出書を出しても、届出の義務を果たしたとは認められないとしています(第18中7(1)、行政手続法37条)。届出確認書は、適法な届出書が出されたときに交付されるもので、うその届出には交付されません(第18中8(1))。

映像送信型にかかわる罰則の一覧

無届のほかにも、映像送信型の営業にかかわる罰則があります。e-Gov法令検索の現行の条文で確かめたものを表にしました。

こんなとき罰則条文
届出書を出さないで営業した6か月以下の拘禁刑か100万円以下の罰金(併科あり)53条5号
届出書・添付書類にうその記載をした6か月以下の拘禁刑か100万円以下の罰金(併科あり)53条6号
変更届・廃止届を出さなかった、うその記載をした50万円以下の罰金55条6号
年少者の利用防止の命令に従わなかった1年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金(併科あり)51条1項7号
広告物の表示やビラ配りの制限(28条5項の準用)を守らなかった100万円以下の罰金54条2号
公安委員会からの報告・資料の求めに応じなかった、うその報告をした100万円以下の罰金54条6号

変更届・廃止届は、変わった日・やめた日から10日以内に出します。くわしくは変更届・廃止届の記事にまとめています。

指示と、年少者の利用防止の命令

罰則とは別に、公安委員会が営業者に出す行政の処分があります。

  • 指示(31条の9第1項):営業者やその代理人などが、営業について風営法や、それに基づく命令・条例に違反したとき、公安委員会は違反を防ぐために必要な指示をすることができます。解釈運用基準は、指示を行政処分とし、違反の状態をなくすための措置などを具体的に示すものとしています(第31)。
  • 年少者の利用防止のための命令(31条の10):18歳未満の人を客にしないための決まり(31条の8第3項・第4項)に違反したとき、18歳未満の人を客にしないための措置をとるよう命じることができます。この命令に従わないと、表の51条1項7号の罰則の対象です。

風営法には、映像送信型の営業の停止を命じる規定はありません。

映像送信型の営業者は、18歳未満の人を客にしてはなりません(31条の8第2項)。IDやパスワードで映像を見せる形なら、18歳以上であることの証明(運転免許証の写しなど。自己申告では足りない)か、クレジットカード払いのように18歳未満の人が通常使えない方法で支払うことへの同意を受けてからでないと、映像を送れません(同条4項、解釈運用基準 第21中3)。くわしくは年齢確認の記事を見てください。

法人や雇い主も罰せられる「両罰規定」

風営法57条1項は、いわゆる両罰規定です。法人の代表者や、法人・個人の代理人、使用人などの従業者が、その法人や個人の業務について違反をしたときは、違反をした本人(行為者)を罰するほか、法人や雇い主にも罰金刑を科すと定めています。

違反をした人罰せられる人
法人の代表者代表者本人と、その法人(罰金刑)
法人の代理人・従業者本人と、その法人(罰金刑)
個人の営業者の代理人・従業者本人と、雇い主である個人(罰金刑)

映像送信型にかかわるものでは、51条1項(命令に従わないなど)と、53条から56条まで(無届営業、変更届を出さないなど)が対象です。法人や雇い主に科されるのは、それぞれの条文にある罰金刑です。たとえば無届営業なら、法人の罰金は100万円以下です。

法人で複数のサイトを運営している場合は、担当者の違反でも法人が罰金刑の対象になる決まりです。どのサイトに届出があるかを、社内で一覧にしておくと把握しやすくなります。

すでに届出なしで始めている場合

届出のことをあとから知った、という人もいます。そのときに知っておきたいことを、確かめられる範囲で書きます。

  • 届出は本来、始める日の10日前までに出すものです(施行規則58条2項)。届出がいる営業をすでに続けているなら、できるだけ早く出すことを考えてください。届出書を出すまでは、配信・販売と広告を止めてください。配信・販売を再び始めるのは、届出書に書いた開始日(提出から10日以上あと)からです。広告は、届出書を出したあとなら再開できます。
  • 届出書は事実のとおりに書きます。開始日の欄の書き方は、提出先の警察署に確認してください。始めた日をずらすなど事実と違う内容を書くと、それ自体が53条6号(うその記載)の対象になります。
  • 届出をしないで営業していた期間は罰則の対象で、あとから届け出ても、その期間のことがなくなるわけではありません。ご自身の件がどうなるかの見通しは、弁護士にご相談ください。
  • 警察から捜査や呼び出しを受けているなど、すでに問題になっている場合は、届出の準備より先に弁護士に相談してください。警察署から届出を出すよう言われた方のご相談は、弊所でお受けします。

届出がいるかどうか自体が分からないときは、事務所の所在地を管轄する警察署の生活安全課に問い合わせることができます。大阪府警察の様式のページにも、申請・届出の相談や問い合わせは警察署の生活安全課へ、と書かれています。弊所でも、すでに始めている方のご相談を、事情を伺ったうえでお受けしています(大阪府内の警察署に出す届出に限ります)。

警察の立入りと、報告の求め

風営法37条2項は、警察職員が立ち入ることのできる場所を挙げていますが、映像送信型の事務所はこの中に入っていません。一方で、37条1項により、公安委員会は業務について報告や資料の提出を求めることができます。応じない、うその報告をするといった場合は、54条6号の罰則があります。

なお、37条4項は、立入りの権限を犯罪捜査のためのものと解してはならないと定めています。犯罪の捜査は、この規定とは別の手続きです。

よくある質問

Q無届だと、罰金だけで終わりますか?
A

風営法53条5号の刑は「6か月以下の拘禁刑か100万円以下の罰金」で、両方を科すこともできます。実際にどの刑になるかは事情に応じて裁判所が決めることで、行政書士が見通しを答えることはできません。刑事手続のことは弁護士に相談してください。

Q会社で運営しています。社員が届出をしないまま営業したら、会社も罰せられますか?
A

風営法57条1項の両罰規定により、従業者が法人の業務について無届営業などの違反をしたときは、本人に加えて法人も罰金刑の対象になります。無届営業の場合、法人の罰金は100万円以下です。

Q変更届を出し忘れていました。罰則はありますか?
A

変更届・廃止届を出さなかったときや、うその記載をしたときは、50万円以下の罰金の対象です(55条6号)。期限は変更・廃止の日から10日以内なので、気づいた時点で提出先の警察署に相談してください。

Q届出をすると、警察が自宅の事務所に立ち入りますか?
A

映像送信型の事務所は、警察職員が立ち入れる場所(37条2項)に入っていません。ただし、公安委員会から業務について報告や資料の提出を求められることはあり(37条1項)、応じないと罰則があります。

Q届出をすれば、配信している内容まで認められたことになりますか?
A

なりません。届出は決められた事項を公安委員会に知らせる手続きで、審査をして許可するものではありません。18歳未満の人を客にしない決まりなど、届出のあとも守ることがあります。

書類づくりと警察署への提出、まとめてお任せください

大阪府内の警察署に出す映像送信型の届出を、1件74,000円(税込)でお引き受けします。警察署の手数料3,400円は別です。報酬は届出確認書をお渡ししてからの後払いです。確認書が出なければ報酬はいただきません(ご都合で取りやめた場合や、事実と違うことをお伝えいただいていた場合などを除きます)。

参考にした資料

記事の内容は更新日時点のものです。手続きの細かい運用は、申請先の警察署・役所で確認してください。

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