18歳未満を客にしない決まりと年齢確認:映像送信型の届出で問われること
映像送信型性風俗特殊営業をする人は、18歳未満の人を客にしてはいけません(風営法31条の8第2項)。そのために、映像を見せる前の年齢確認と、広告で18歳未満は客になれないと示すことが決められています。出演する人の年齢は、これとは別に、児童ポルノ禁止法などの重い罰則がある法律の問題です。
18歳未満を客にしてはいけない
風営法31条の8第2項は、映像送信型性風俗特殊営業を営む人は18歳未満の者を客としてはならない、と定めています。警察庁の解釈運用基準は、ここでいう「客とすること」を、対価を得て18歳未満の者に映像を見せることと説明しています(第21中2)。
同じ条の3項と4項は、この決まりを守るための具体的な措置を定めたものです(第21中3(1))。サイトの仕組みによって、どちらが当てはまるかが変わります。
届出のときに出す「営業の方法」(別記様式第32号)には、「18歳未満の者を客としないために講ずる措置の内容」を書く欄があります。様式の備考では、客の依頼を受ける方法(18歳未満が通常利用できない方法かどうかを含む)や、利用者が18歳以上であることを担保するための措置などを、具体的に書くよう求めています。届出の時点で、年齢確認の仕組みを説明できるようにしておく必要があります。
年齢確認の決まりは、サイトの仕組みで2つに分かれる
| サイトの仕組み | 条文 | 決まりの中身 |
|---|---|---|
| 映像を | 31条の8第4項 | 客から |
| ID・パスワードなどを | 31条の8第3項 | 18歳未満の |
解釈運用基準によると、ここでいう「ID、パスワード等」には、営業する人が渡すID・パスワードのほか、クレジットカードの番号のように、通常18歳以上でなければ使えないとされているものも含まれます(第21中3(2))。また、3項の「18歳未満の者が通常利用できない方法による客の依頼を受けること」とは、本人確認をしないで映像を見せても、18歳未満が通常利用できないような措置をとっていることをいいます。
「18歳以上である旨の証明」と「支払い方法の同意」
4項の2つの方法について、解釈運用基準は次のように説明しています(第21中3(3))。
| 方法 | 基準の説明(要旨) |
|---|---|
| 18歳以上である | 客が |
| 18歳未満が | 法令や |
| そのほか | 電子ネットワーク上の |
「18歳以上ですか」と選んでもらうだけの確認は、自己申告にあたります。証明としては足りないとされているので、4項のもう一つの方法(支払い方法の同意)を満たしているかどうかも含めて、仕組みを確かめておく必要があります。
myfansやFantiaなどの配信サイトを使う場合、見る人の登録や支払いは、そのサイトの仕組みで行われます。myfansの公式ヘルプには、サイトに入る際に18歳以上かどうかの確認をしていることなどが書かれています(弊所は運営会社とは関係がありません。配信サイトの公式ヘルプの案内)。自分の届出書の「営業の方法」にそれをどう書くかは、提出先の警察署に確認してください。
広告にも「18歳未満は客になれない」と示す
風営法31条の8第1項は、店舗型の広告の決まり(28条9項など)を、映像送信型にも当てはめています。そのため、映像送信型の営業について広告や宣伝をするときは、18歳未満の者が客となってはならない旨を明らかにしなければなりません。方法は次のとおりです(施行規則62条1項で47条1項を準用)。
- 文字や図形などで広告するときは、その旨の文言を、見る人に見やすいように表示する
- 音声で広告するときは、その旨を、聞く人に分かりやすいように音声で告げる
解釈運用基準は、この決まりが看板やビラだけでなく、新聞・雑誌・インターネットなどを使う広告・宣伝にも当てはまり、原則として個々の広告ごとに表示が必要だとしています(第21中1が参照する第20中2(3)ア・イ)。SNSなどで配信を告知するときも、この点を確かめておく必要があります。どこまでが広告に当たるかは、提出先の警察署に確認してください。
あわせて、住宅にビラを配ることや、18歳未満の人にビラを配ることなども禁じられています(31条の8第1項で28条5項を準用)。これに違反すると、100万円以下の罰金の対象です(54条2号)。「営業の方法」の様式にも、広告の方法(インターネットならURL)と、18歳未満の利用禁止を明らかにする方法を書く欄があります。
決まりに反したときの扱い
年齢確認の決まり(31条の8第3項・4項)に反したときは、公安委員会は、営業の方法について、18歳未満を客にしないために必要な措置をとるよう命令できます(31条の10)。命令の中身は、違反の具体的な状況に応じて決められます(解釈運用基準 第33中2)。この命令に従わないと、1年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金、またはその両方が科されることがあります(51条1項7号)。
このほか、風営法やそれにもとづく命令・条例に反したときは、公安委員会が、少年の健全な育成に障害を及ぼす行為などを防ぐために必要な指示をすることができます(31条の9第1項)。罰則の全体は無届営業の罰則で説明しています。
出演する人の年齢は、別の重い決まり
ここまでの決まりは、映像を見る「客」の年齢についてのものです。映像に出演する人の年齢は、別の法律の問題になります。
児童ポルノ禁止法(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律)は、18歳に満たない者を「児童」としています(2条1項)。児童ポルノを提供すると3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、不特定または多数の者に提供したり公然と陳列したりすると5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはその両方です(7条2項・6項)。児童ポルノを作ることなども、同じように罰せられます(7条3項から5項・7項)。
さらに、児童を使用する者は、児童の年齢を知らなかったことを理由に処罰を免れることはできません。ただし、過失がないときは別です(9条)。風営法でも、サーバの設置者は、営業する人が児童ポルノ映像やわいせつな映像を記録したと知ったときは、送信を防ぐ措置をとるよう努めなければならないとされています(31条の8第5項)。
出演者が18歳以上でも、性行為の映像を作って公表するときの出演契約には、いわゆるAV出演被害防止・救済法(令和4年法律第78号)の決まりがあります。出演契約や撮影のことは、弁護士に相談してください。
届出は、出演者の年齢や配信の中身を認めるものではありません。弊所は、18歳未満の方が出演する配信や、18歳未満の方が客になる配信についてのご依頼はお受けしていません。
よくある質問
Q「18歳以上ですか」の確認ボタンだけで足りますか?
解釈運用基準は、18歳以上である旨の「証明」について、自己申告だけでは足りないとしています。風営法31条の8第4項は、証明のほかに、クレジットカード決済など18歳未満が通常利用できない方法で払う同意を受ける方法も定めています。自分のサイトの仕組みでどちらを満たすのかは、提出先の警察署に確認してください。
Q配信サイトを使う場合、年齢確認の仕組みは自分で用意しますか?
配信サイトを使う場合、見る人の登録や支払いは、そのサイトの仕組みで行われます。myfansの公式ヘルプには、サイトに入る際に18歳以上かどうかの確認をしていることなどが書かれています。届出書の「営業の方法」にどう書くかは、提出先の警察署に確認してください。
Q「18歳未満は客になれない」と書くのは、どの広告ですか?
解釈運用基準は、看板やビラだけでなく、新聞・雑誌・インターネットなどを使う広告・宣伝も対象とし、原則として広告ごとに表示するとしています。文字の広告なら、その旨の文言を見やすいように表示します。どこまでが広告に当たるかは、提出先の警察署に確認してください。
Q出演する人の年齢は、どう確認すればいいですか?
出演者の年齢は、風営法の「客」の決まりとは別に、児童ポルノ禁止法などの問題です。18歳未満が出演する映像を作ったり提供したりすることは重く罰せられます。出演させる人(児童を使用する者)は、年齢を知らなかったことを理由に処罰を免れることはできません。ただし、過失がないときは別です(9条)。出演契約や確認の進め方は、弁護士に相談してください。
書類づくりと
大阪府内の警察署に出す映像送信型の届出を、1件74,000円(税込)でお引き受けします。警察署の手数料3,400円は別です。報酬は届出確認書をお渡ししてからの後払いです。確認書が出なければ報酬はいただきません(ご都合で取りやめた場合や、事実と違うことをお伝えいただいていた場合などを除きます)。
参考にした資料
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法・e-Gov法令検索)
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)
- 警察庁 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準(令和8年7月1日)
- 大阪府警察 届出様式(別記様式第32号 営業の方法)
- 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(e-Gov法令検索)
- 性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律(e-Gov法令検索)
- myfans公式ガイド「映像送信型性風俗特殊営業について」
記事の内容は更新日時点のものです。手続きの細かい運用は、申請先の警察署・役所で確認してください。
