無店舗型の届出の平面図:事務所・待機所の図面の書き方と注意点
派遣型の届出では事務所の平面図を出し、待機所を設けるなら待機所の平面図も出します。住所を事務所にするときは、営業に使う部分を特定した図にします。決まった様式は大阪府警のページになく、縮尺や面積の書き方などは提出先の警察署に確認して作ります。
平面図がいるのは、派遣型の事務所と待機所
無店舗型の開始届に添える書類は、風営法に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令(府令)12条に並んでいます。平面図について決めているのは、次の3つです。
| 図面 | いる場合 | 根拠 |
|---|---|---|
| 事務所の平面図 | 派遣型 | 府令12条1号ハ |
| 待機所の平面図 | 派遣型で | 府令12条1号ホ |
| 受付所の | 派遣型で | 府令12条1号ニ |
通信販売型(2号)は、どの平面図もいりません(「派遣型」「通信販売型」は通称です)。府令12条1号ハからホまでは、すべて1号の営業に限った定めです。
平面図は、決められた添付書類の一つです。添付書類を付けずに出した届出書は、届出の義務を果たしたとは認められません(警察庁の解釈運用基準(令和8年7月1日) 第18中7(1))。
住所を事務所にするときは「営業に使う部分」を示す
届出書の「事務所」は、営業活動の中心である一定の場所のことです。事務所といえる場所がないときは、営む人の住所が事務所の代わりになります(基準 第18中3(2))。
住所を事務所に代えて届け出るときの平面図は、営業に使う部分を特定したものにします(府令12条1号ハ)。基準は、その理由を、警察職員の立入りの対象となる範囲を明確にするため、と説明しています(第18中7(2))。
派遣型の事務所は、立入りの対象です(風営法37条2項3号)。住まいの一部を使うなら、図で囲んだ営業に使う部分が、立入りの対象となる範囲を示すことになります。立入りは法律の施行に必要な範囲で行うもので、立ち入るときは身分証明書が示されます。事務所に備えておく決まりの書類(届出確認書・従業者名簿・年齢や国籍の確認の記録)も、確かめられることがあります。立入りを拒むと罰則があります。
平面図に入れる項目
無店舗型の平面図について、法令で決まった様式はありません。大阪府警の届出様式のページにも、平面図の様式や記載例は載っていません。
基準は、平面図の意味について、許可申請の平面図の説明を参照するよう書いています(第18中7(2))。そこでは、建築確認の申請のときの図面に、出入口の位置や家具の配置など必要な事項を書き込んだもので足りる、とされています(第12中13(3))。これを手がかりに、弊所では次の項目を入れています。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 表題 | 「事務所平面図」 |
| 所在地と部屋番号 | 届出書と |
| 縮尺と単位 | 図の |
| 方位 | 北の向き |
| 外周と各室の寸法 | 部屋全体と、 |
| 出入口と窓 | 玄関、 |
| 各室の用途 | 事務室・居室・台所・浴室・トイレなど |
| 主な家具や設備 | 机、電話、 |
| 営業に使う部分 | 太線などで |
| 作成日と作成者 | 作った |
行政書士が作った書類には、記名して職印を押すことになっています(行政書士法施行規則9条2項)。
架空の部屋で書き込む内容の例
架空の部屋を例に、事務所の平面図に書き込む内容を示します。住まいの一室だけを営業に使い、住所を事務所に代えて届け出る形を想定しています。
| 項目 | この例での書き方 |
|---|---|
| 表題 | 事務所平面図 |
| 所在地 | 大阪府○○市○○町1丁目2番3号 ○○ハイツ302号室(架空) |
| 縮尺・単位・方位 | 縮尺1/50、 |
| 間取りと外周 | 洋室・和室・台所・浴室・トイレ。 |
| 営業に使う部分 | 洋室 |
| その中の家具 | 机、電話、 |
| 出入口と窓 | 玄関、 |
| ほかの部屋 | 和室・台所・浴室・トイレは |
| 作成 | 作成日、 |
決まった様式は府警のページにありません。書き方は提出先の警察署に確認します。
面積や縮尺は、提出先の警察署に確認する
風俗営業の許可では、営業所の床面積や客室ごとの床面積を申請書に書きます。基準は、各客室の床面積を、壁や柱の中心線からではなく内側の寸法で計って書く、としています(第12中12)。
無店舗型の事務所と待機所には、こうした構造や面積の基準がありません。面積の計算(求積)を図に入れるか、どの縮尺にするか、手書きでよいかについて、府警のページに決まりは載っていません。求積がいるかどうかも含めて、提出先の警察署に確認してください。
待機所が住まいの一部のとき
働く方がふだん住んでいるだけの部屋は、待機所に当たりません。ただし、その部屋で依頼を待ってもらい、そこから派遣するなら待機所に当たり、届出書に書いて平面図も出します。
待機所が住まいの一部であるときは、待機所に使う部分だけが届出の対象です。このため府令は、待機所の平面図に「使う部分を特定したもの」という限定を付けていない、と基準は説明しています(第18中7(2))。
届出書の待機所の欄には、建物内の位置(何階か、その階の全部か一部か)と、待機所としての専用状況(ほかの用途にも使っているか、使っているならその中身)を書きます(大阪府警の様式第25号の備考)。どこまでを待機所として描くかは、届出書の書き方とそろえ、提出先の警察署に確認してください。待機所の届出のことは待機所と受付所(大阪府の決まり)にまとめています。
用意する資料と、自分で描くときの注意
- 間取り図(賃貸の募集の図面、購入したときの図面、管理会社から受け取った図面など)
- 部屋ごとの写真(出入口・窓・家具の位置が分かるもの)
- 部屋の縦横の長さと、扉や窓の位置
- 使用の権原を示す書類(登記事項証明書、賃貸借契約書の写し、貸主の使用承諾書など)
自分で描くときは、図の所在地を、届出書の事務所の所在地や使用の権原の書類と、一字一句そろえます。建物名や部屋番号の書き方が書類ごとに違うと、同じ場所を指しているかが分かりにくくなります。事務所や待機所を移したときは、10日以内の変更届に、新しい場所の平面図を添えます(府令12条3号)。場所ごとの書類は事務所は自宅・賃貸でいい?にまとめています。
弊所では、現地には伺わず、依頼者様からお送りいただく間取り図・写真・寸法をもとに平面図を作り、足りないところはビデオ通話で部屋を映していただきながら、一緒に寸法を確かめています。
よくある質問
Q平面図は手書きでもいいですか?
大阪府警の届出様式のページに、平面図の様式や記載例は載っていません。手書きでよいか、縮尺や面積の計算がいるかは、提出先の警察署に確認してください。どの描き方でも、所在地や営業に使う部分が届出書と食い違わないようにします。
Q通信販売型(2号)にも平面図はいりますか?
いりません。平面図を求める府令12条1号ハからホまでは、派遣型(1号)の営業に限った定めです。通信販売型の事務所は、警察職員の立入りの対象にも挙がっていません。
Q賃貸の募集の間取り図をそのまま出せますか?
警察庁の基準は、許可申請の平面図は建築確認の図面に必要な事項を書き込んだもので足りるとしており、無店舗型の平面図もこの説明を参照するよう書かれています。募集の間取り図を使う場合も、営業に使う部分や出入口などを書き込むことになります。そのまま出してよいかは、提出先の警察署に確認してください。
Q事務所を引っ越したら、平面図も出し直しますか?
出し直します。事務所や待機所が変わったら、10日以内に変更届を出し、新しい場所の使用の権原を示す書類と平面図を添えます(府令12条3号)。大阪府の警察署に出す変更届の手数料は1,500円です。
書類と事務所の平面図づくり、
大阪府内の警察署に出す派遣型の届出を、報酬88,000円(税込・事務所の平面図を含む)でお引き受けします。別の場所に待機所を設けるときは1か所22,000円、警察署の手数料3,400円は別です。報酬は届出確認書をお渡ししてからの後払いです。確認書が出なければ報酬はいただきません(ご都合で取りやめた場合や、事実と違うことをお伝えいただいていた場合などを除きます)。
参考にした資料
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令(e-Gov)12条
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(e-Gov)31条の2、37条
- 警察庁 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準(令和8年7月1日)第12中12・13、第18中3・7、第36中3
- 大阪府警察 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等に基づく各種申請及び届出様式
- 大阪府警察 別記様式第25号その1・その2(営業開始届出書)Word版の備考
- 大阪府風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例 別表第三
- 行政書士法施行規則(e-Gov)9条
記事の内容は更新日時点のものです。手続きの細かい運用は、申請先の警察署・役所で確認してください。
