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アダルトグッズ・DVDの通販に届出は必要?無店舗型2号の届出

更新日 2026年10月24日 | グローリー行政書士事務所 行政書士 武田 蓮

成人向けの商品を主に(専ら)扱い、ネットや電話で注文を受けて配送する通信販売は、風営法の「無店舗型性風俗特殊営業」の2号に当たり、事務所の場所を管轄する警察署への届出がいります。当たるかどうかは、扱う物の種類と、成人向けの物が営業の中でどれだけを占めるかを、営む人の意図と営業の実態から判断します。迷うときは、始める前に提出先の警察署に確認してください。

届出の対象は、4つの条件がそろう通信販売

この届出の根拠は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)の2条7項2号です。次の条件がそろう営業が、「無店舗型性風俗特殊営業」の2号に当たります。通称で「通信販売型」と呼ばれ、警察庁の解釈運用基準(令和8年7月1日)では「アダルトビデオ等通信販売営業」と呼ばれています(第6中2)。

  1. 注文の受け方:電話・インターネット・ファクシミリ、郵便・信書便、電報、口座への振込み、事務所(ない人は住所)以外の場所でお客様と会う方法のうち、どれかで注文を受けること(施行規則5条)。ネットショップの注文フォームやメールでの注文は、電気通信設備を使う方法に当たります。
  2. 専ら:成人向けの物を、主に(専ら)売る・貸す営業であること。
  3. 物:政令で定める物(次の節の表)であること。
  4. 配達:物を届けることで営むこと。基準は、営む人や従業者がお客様のもとへ直接届けるのを「配達し」、郵便や宅配を使うのを「配達させる」と説明しています(第6中2(2))。

売るだけでなく、貸す場合も同じです。この手続きは許可ではなく届出です(法31条の2)。審査で可否が決まるものではありませんが、届出をしても、営業の中身まで認められたことにはなりません。

対象になる物(政令で定める物品)

対象の物は、風営法施行令4条が4つに分けて決めています。どれも「性的好奇心をそそる物品」であることが前提です。基準は、社会通念上、一般の人が見るなどしただけで性的な感情を著しく刺激されるような物と説明し、通常の書籍は当たらないとしています(第5中5(1))。

施行令4条対象の物基準の説明
1号衣服を脱いだ人の姿態を写した写真(複製物を含む)―
2号1号の写真を主な内容とする写真集主な内容かどうかは、構成などを総合して判断する(第5中5(3))
3号衣服を脱いだ人の姿態の映像を主な内容とする、フィルム・ビデオテープ・ビデオディスク・CD-ROMなどの記録媒体通常、再生時間の半分以上がその映像なら「主な内容」に当たる(第5中5(3))
4号性具など性的な行為に使う物、性器を模した物、性的な行為を表す写真などの物、これらに類する物通常のコンドームなどの衛生用品は含まない(第5中5(4))。着用したものとして売られる衣類も「これらに類する物品」に当たる(第5中5(6))

成人向けの物かどうか、主な内容かどうかで迷う品があるときは、品目の一覧を用意して、提出先の警察署に確認してください。

なお、届出は、わいせつな物を売ってよいことにする手続きではありません。わいせつな物を頒布することは、届出をしていても刑法175条で処罰の対象です。また、中古の品を扱う、海外から仕入れるなど、品物や仕入れ方によっては、風営法とは別の法律の手続きがいることがあります。

「専ら」は、割合の数字だけでは決まらない

2号に当たるのは、成人向けの物を「専ら」売る・貸す営業です。基準は「専ら」を、他の営業と同じく「おおむね7割ないし8割程度以上」としています(第5中3(2))。

ただし、これは目安です。基準は、2号に当たるかどうかを、営む人の意図と、実際の営業のようすを踏まえて判断するとしています(第6中2(1))。割合の数字だけで、当たるかどうかが決まるわけではありません。

品ぞろえの割合を一時的に変えても、営む人の意図と営業の実態から、2号に当たると判断されることがあります。

成人向けの商品も扱っていて、当たるかどうか迷うときは、扱う品目と、営業のサイトでの見せ方が分かる資料を用意して、提出先の警察署に確認してください。

配信・ダウンロード販売との境目

2号は「物品」を「配達」する営業です。映像をネット上で見せる形や、データのダウンロード販売は、物を届けないので2号の文言に当たりません。映像送信型性風俗特殊営業(法2条8項)という、別の営業の問題になります。

基準は、店舗型・無店舗型・映像送信型などを「それぞれ別個の営業」とし、兼ねて営むなら、そのどれについても営業開始の届出がいるとしています(第18中1(1))。成人向けの物を専ら扱う場合の当てはめは、次のとおりです。

営業の形当たる営業と届出
DVDやグッズを、注文を受けて郵送・宅配で届ける無店舗型の2号(通信販売型)
映像をネットで見せる・ダウンロードで売る映像送信型(届出は別)
上の2つを両方営む届出は2つ(2号と映像送信型)
お店を構えて店頭で売る店舗型(大阪府では、商業地域以外と、学校などの周囲200mでは営めない)

配信のほうで届出がいるかどうかの考え方は、映像送信型の記事(アダルト配信に届出は必要?)にまとめています。

届出をする人と、届出の中身

届出をするのは、その営業を営む人

届出は、無店舗型を営もうとする人が、種類(1号・2号)ごとに出します(法31条の2第1項)。基準も、無店舗型の届出は「営む者」ごとに行うとしています(第18中3(1))。個人でも法人でも同じです。モールやフリマのサイトを使っていても、商品を売る(貸す)のがご自身なら、営むのはご自身と考えられます。代金の受け取りや発送をモールや配送の会社に任せていても、それだけで届出の対象から外れるわけではありません(郵便や宅配で届けさせる形も「配達させる」に当たります)。判断に迷うときは、提出先の警察署に確認してください。

ショップ名(呼称)や注文を受ける連絡先が複数あっても、営む人が同じなら、通信販売型の届出は1つで足ります。ただし、使っている呼称と連絡先は、すべて届出書に書きます(法31条の2第1項2号・6号)。連絡先には、電話番号、メールアドレス、URL、郵便の宛先、振込口座などが入ります(基準 第18中3(4)、様式第25号の備考)。派遣型と通信販売型の両方を営むときは、届出はそれぞれに1つずつです。

提出先・期限・書類・手数料

  • 提出先:営業の中心になる事務所(法律の言葉では「営業の本拠となる事務所」。事務所がない人は住所)を管轄する警察署の生活安全課です。配送先が府外でも、事務所が大阪府内なら、大阪府の警察署に出します(法31条の2第1項)。
  • 期限:開始の予定日の10日前までに出します(施行規則52条2項)。
  • 書類:営業開始届出書(別記様式第25号)、営業の方法(第28号)、事務所の使用の権原を示す書類、個人は住民票の写し、法人は定款・登記事項証明書・役員全員の住民票の写しです(府令12条1号)。
  • 手数料:3,400円です(大阪府の条例)。

派遣型と違い、通信販売型は平面図がいりません。府令12条で平面図を求めているのは、派遣型の事務所や待機所などだけです。また、警察職員の立入りの対象として法37条2項に挙がっているのは派遣型の事務所・受付所・待機所で、通信販売型の事務所は挙がっていません。ただし、報告や資料の提出を求められることは、通信販売型にもあります(法37条1項)。

届け出たあとに守ること

18歳未満をお客様にしない:郵便や宅配で届ける場合、基準は、注文の段階で18歳以上であることの証明を受ける(例:申込みのときに運転免許証のコピーを送ってもらう)か、18歳未満が通常使えない方法で支払う同意を得る(例:クレジットカード決済)などで確かめるよう求めています。年齢を自己申告させるだけでは足りません。営む人や従業者が直接届ける場合は、お客様が18歳未満と疑われるときに年齢を確かめます(第20中5(2))。これはお客様の年齢の確かめ方で、働く方の確認に使える書類は別に決まっています(府令26条)。

18歳未満を、配達などの業務に就かせない:配達や代金の受取りなど、お客様に接する業務に18歳未満を就かせることは禁止です。1年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金、又はその両方の対象です(法31条の3第3項1号、51条1項6号)。

広告の決まり:ネットショップのページやSNSでの宣伝も、届出書を出すまではできません(法31条の2の2)。大阪府では、通信販売型の看板・はり紙などの広告物とビラ等は、都市計画法の商業地域以外の地域と、学校などの周囲200メートルの区域で制限されます(法31条の3第1項で準用する28条5項、府の条例13条2項2号)。人の住まいにビラを配る・差し入れることは、どの地域でも禁止です。広告・宣伝をするときは、18歳未満の方はお客様になれないこと(例:「18歳未満の方はご利用いただけません」)を見やすく書きます。くわしくは広告の決まり(大阪府)にまとめています。

従業者名簿と確認:通信販売型でも、事務所ごとに従業者名簿を備え、働く人全員を書きます(法36条)。お客様に直接届ける人や代金を受け取る人は、さらに生年月日と国籍を決められた書類で確かめて記録し、退職してから3年保存します(法36条の2)。

届け出た内容が変わったら:ショップ名・連絡先・事務所などが変わったときは変更届、通信販売をやめたときは廃止届を、どちらも10日以内に出します(法31条の2第2項)。

店頭で売るなら、店舗型という別の営業

店舗を設けて、成人向けの物を専ら売る・貸す営業は、無店舗型ではなく店舗型性風俗特殊営業です(法2条6項5号)。大阪府では、この営業は都市計画法の商業地域以外の地域では営めず、商業地域でも学校などの周囲200メートルでは営めません(法28条1項、府の条例10条・11条1項2号)。通信販売に加えて店頭でも売る形を考えているときは、店舗型の決まりを別に確かめる必要があります。店舗型の届出は、弊所ではお受けしていません。

よくある質問

Q成人向けの商品も扱うネットショップです。届出はいりますか?
A

成人向けの物を「専ら」扱う通信販売かどうかで決まります。基準の目安は「おおむね7割ないし8割程度以上」ですが、割合だけでなく、営む人の意図と営業の実態で判断されます。品ぞろえの割合を調整しても、それだけで届出の対象から外れるとは限りません。迷うときは、扱う品目の一覧を用意して、提出先の警察署に確認してください。

Q映像のダウンロード販売もしています。届出は1つで足りますか?
A

足りません。DVDなどを届ける通信販売は無店舗型の2号、映像をネットで見せたりダウンロードで売ったりするのは映像送信型で、別の営業です。両方を営むなら、それぞれに届出がいります(警察庁の解釈運用基準 第18中1(1))。

Q自宅を事務所にしたら、警察の立入りがありますか?
A

立入りの対象として法37条2項に挙がっているのは派遣型の事務所・受付所・待機所で、通信販売型の事務所は挙がっていません。ただし、報告や資料の提出を求められることはあります(法37条1項)。従業者名簿は事務所ごとに備える決まりです。なお、犯罪の捜査は、この決まりとは別の手続きです。

Q年齢確認は「18歳以上です」のチェック欄だけで足りますか?
A

郵便や宅配で届ける場合、基準は、年齢を自己申告させるだけでは足りないとしています。申込みのときに運転免許証のコピーを送ってもらう、クレジットカード決済の同意を得る、などの方法が例に挙がっています(第20中5(2))。

通信販売型の届出、警察署への提出までお任せください

大阪府内の警察署に出す通信販売型(2号)の届出を、報酬74,000円(税込)でお引き受けします。警察署の手数料3,400円は別です。報酬は届出確認書をお渡ししてからの後払いです。確認書が出なければ報酬はいただきません(ご都合で取りやめた場合や、事実と違うことをお伝えいただいていた場合などを除きます)。

参考にした資料

記事の内容は更新日時点のものです。手続きの細かい運用は、申請先の警察署・役所で確認してください。

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