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無店舗型性風俗特殊営業とは?派遣型・通信販売型と届出のしくみ

更新日 2026年10月24日 | グローリー行政書士事務所 行政書士 武田 蓮

無店舗型性風俗特殊営業は、店舗を持たずに営む性風俗関連の営業で、風営法2条7項に1号(いわゆる派遣型)と2号(いわゆる通信販売型)の2種類が定められています。どちらも許可ではなく届出の手続きで、営業を始める日の10日前までに、事務所の場所を管轄する警察署へ届出書を出します。大阪府では受付所を府内のどこにも置けないなど、府の条例の決まりもあります。

法律の定義:1号と2号の2種類

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)は、「性風俗関連特殊営業」として、店舗型・無店舗型・映像送信型などの5つの営業を定めています(風営法2条5項)。無店舗型性風俗特殊営業の種類は、次の2つだけです(法2条7項)。

  • 1号:人の住居または人の宿泊の用に供する施設で、異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業で、その役務を行う者を、客の依頼を受けて派遣することにより営むもの
  • 2号:電話その他の国家公安委員会規則で定める方法による客の依頼を受けて、専ら、政令で定める物品を販売し、または貸し付ける営業で、その物品を配達し、または配達させることにより営むもの

「派遣型」「通信販売型」は通称で、法律や規則にこの言葉は出てきません。警察庁の解釈運用基準(令和8年7月1日。以下「基準」)は、1号を「派遣型ファッションヘルス営業」、2号を「アダルトビデオ等通信販売営業」と呼んでいます(基準 第6中1・第6中2)。

言いかえると、1号(いわゆる派遣型)は、異性のお客様の依頼を受けて、住まいやホテルへ、法律の言葉で「異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務」を行う人を派遣する営業です。2号(いわゆる通信販売型)は、成人向けのDVD・写真集・グッズなどを主に(専ら)扱い、注文を受けて配送で売る、または貸す営業です。

警察庁の統計では、令和7年の全国の無店舗型の届出数(営業所等の数)は22,792件で、1号が21,353件、2号が1,439件です。1年間に新しく出された届出の件数ではなく、その時点で届け出られている営業の数です。

1号(いわゆる派遣型)に当たる営業

「性的好奇心に応じて」の意味

お客様の性的な感情に応えて、という意味です。基準は、通常のマッサージなどはこの営業に当たらないとしています(基準 第6中1(3)・第5中2(1))。出張で行うサービスがすべて届出の対象になるわけではなく、届出がいるかどうかはサービスの中身で決まります。

条文は「異性の客」と書いていて、お客様の性別を男性に限っていません。女性のお客様向けの派遣も、条文の上では同じ1号の届出の対象です(女性用風俗の届出)。

派遣先と「派遣」の意味

「人の住居」は、人が住んで日常生活に使っている家などで、住むのは一時的でもかまいません。「人の宿泊の用に供する施設」には、レンタルルームなどのほか、一般のホテルや旅館も含まれます(基準 第6中1(1)・(2))。

「派遣」は、サービスを行う人を差し向けることです。ほかの場所でお客様と会ったあと、住まいやホテルでサービスを行う形も含まれます(基準 第6中1(5))。依頼の受け方に制限はありませんが、お客様が来る施設で依頼を受けると、その施設は「受付所」になります(基準 第6中1(4))。

部屋をあらかじめ確保しておく形は店舗型

レンタルルームなどの施設と提携して、営業のための部屋をあらかじめ確保しておく形は、派遣型ではなく店舗型の営業とされます(基準 第5中2(2))。大阪府では、この種類の店舗型の営業は府内のどこでも新しく営むことはできません(大阪府風営法施行条例11条1項1号)。お客様の住まいや、お客様が泊まる一般のホテルに派遣する形は、派遣型です。個室を設けて店舗でサービスを行う形も同じ種類の店舗型(法2条6項2号)で、大阪府内では営めません。

2号(いわゆる通信販売型)に当たる営業

2号に当たるのは、次の4つがそろう営業です。

  1. 注文の受け方:電話・ファクシミリ・インターネットなどの電気通信設備、郵便・信書便、電報、預金や貯金の口座への払込み、営業者の事務所(無ければ住所)以外の場所での対面のいずれかで注文を受けます(施行規則5条、基準 第6中2(3))。ネットショップの注文もここに入ります。
  2. 専ら:成人向けの物品を主に扱います。「専ら」は、おおむね7割ないし8割程度以上をいいます(基準 第5中3(2))。
  3. 物品:施行令4条の物品です。衣服を脱いだ人の姿態の写真・写真集、そうした映像を主な内容とするDVDなどの記録媒体(通常、その映像の再生時間が半分以上)、性具などが当たります。通常の書籍や、通常のコンドームなどの衛生用品は当たりません(基準 第5中5)。
  4. 配達:自分たちでお客様のもとへ届ける(配達し)か、郵便・宅配で届ける(配達させる)形です(基準 第6中2(2))。

「専ら」に当たるかは、割合だけで決まるのではなく、営む人の意図と営業の実態を踏まえて判断されます(基準 第6中2(1))。品ぞろえの割合を調整しても、それだけで届出の対象から外れるとは限りません。

映像をインターネットで見せる、ダウンロードで売る形は、物品を配達しないので2号ではなく、映像送信型(法2条8項)の問題です。店頭で売る形は店舗型(法2条6項5号)で、大阪府では商業地域以外と、学校などの周囲200mでは営めません(法28条1項、条例10条・11条1項2号)。2号のくわしい考え方は成人向け商品の通信販売(2号)にまとめています。

店舗型・映像送信型との違い

同じ性風俗関連特殊営業でも、店舗型・映像送信型とは、届出の数え方や、平面図・立入りの扱いが違います。

項目無店舗型店舗型映像送信型
営業の場所店舗を持たない。事務所(無ければ住所)で届け出る店舗(営業所)を設ける店舗を持たない。事務所(無ければ住所)で届け出る
届出の単位営む人ごと・種類ごとに1つ営業所ごと営業ごと(通常はホームページ単位)
平面図1号は事務所の平面図がいる(待機所を設けるなら待機所の平面図も)。2号はいらない営業所の平面図と周囲の略図がいるいらない
警察職員の立入り1号の事務所・受付所・待機所が対象。2号の事務所は対象に挙がっていない営業所が対象対象に挙がっていない
営業停止の命令規定がある(8か月を超えない範囲)規定がある規定がない

根拠:届出=法27条1項・31条の2第1項・31条の7第1項、基準 第18中3(1)・第18中4(1)/平面図=添付書類の内閣府令9条・12条・13条/立入り=法37条2項/営業停止=法30条・31条の5

届出のしくみ

  • 許可ではなく届出:審査で許可・不許可を決める手続きではありません(法31条の2)。ただし、添付書類が欠けていると、届出をしたことになりません(基準 第18中7(1))。
  • 種類ごと・営む人ごと:営む人が同じなら、店名(呼称)や電話番号を使い分けていても、1号の届出は1つです。そのかわり、呼称と依頼を受ける連絡先は全部書きます(基準 第18中3(1)・(4))。1号と2号の両方を営むときは、それぞれに1つずつです。映像送信型など別の営業を兼ねるときも、それぞれに届出がいります(基準 第18中1(1))。
  • 出す先:営業の本拠となる事務所の所在地を管轄する公安委員会に、警察署を経由して出します(法31条の2第1項、施行規則1条1項)。住まいではなく、事務所の場所で決まります。
  • 期限:営業を始めようとする日の10日前までです(施行規則52条2項)。届出書に書いた開始日(提出から10日以上あと)から始められます。届出書を出す前は、営業のサイトやSNSを含めて、広告や宣伝ができません(法31条の2の2第2項)。
  • 届出確認書:届出を受け付けたことを示す書面が交付されます(法31条の2第4項)。営業の中身まで認められたことにはなりません。有効期間や更新の決まりはなく、事務所に備え付けて、求められたら見せます(同5項)。
  • 変更・廃止:届け出た事項が変わったときや、営業をやめたときは、10日以内に変更届・廃止届を出します(法31条の2第2項、施行規則53条で準用する42条2項)。
  • 引き継げない:相続・合併・分割のいずれでも、営業を他の人に引き継ぐことは認められていません(基準 第18中1(2))。個人から法人にする、代替わりするときは、前の営業者の廃止届と、新しい営業者の開始届です。営む人が亡くなったときは、続ける人が開始届を出し、亡くなった方の届出確認書は同居のご家族などが返す決まりです(施行規則55条2項で46条2項を準用)。

書類の書き方と出し方は自分で出す方法と必要書類にまとめています。

大阪府で先に知っておくこと

ほかの府県と同じ形では、届出確認書が出なかったり、罰則の対象になったりすることがあります。

受付所は府内のどこにも置けない

受付所は、来訪したお客様と対面して受付をしたり、写真を見せて働く方を紹介したりする施設です。電話やファクシミリだけで依頼を受け、お客様が来ない事務所は、受付所に当たりません(基準 第18中3(5))。大阪府では、受付所を設けて営むことが府の区域全体で禁止されています(条例11条2項)。大阪府内の受付所を書いた届出には確認書が出ず(法31条の2第4項ただし書)、確認書が出なかった人は広告や宣伝もできません(法31条の2の2)。

案内所などの第三者に、対面での受付や紹介を任せると、その施設が受付所に当たります(基準 第18中3(5))。大阪府内では、派遣型の営業を案内所で紹介すること自体も、府の条例で禁止されています(大阪府特殊風俗あっせん事業の規制に関する条例3条)。

看板・はり紙・ビラの制限

派遣型は、府の区域全体が広告の制限地域です(条例13条2項1号)。府内のどこでも、看板・はり紙などの広告物を出せず、ビラなども配れません。通信販売型は、商業地域以外の地域と、学校などの周囲200mの区域で同じ制限があります(同2号、法28条5項)。人の住居にビラなどを配ったり差し入れたりすることは、どちらの種類も全国で禁止で、郵便で届けさせても違反です(法31条の3第1項で準用する28条5項2号、基準 第20中2(2)・第19中2(2))。

くわしくは待機所と受付所(大阪府の決まり)と広告の決まり(大阪府)にまとめています。

よくある質問

Q派遣型と通信販売型の両方を営むと、届出はいくつですか?
A

2つです。届出は種類(1号・2号)ごとに出すので、営む人が同じでも、派遣型と通信販売型のそれぞれに1つずつ届け出ます。映像の配信など別の営業も兼ねるときは、その営業の届出も別にいります。

Q店名をいくつか使い分けます。届出は店名ごとですか?
A

店名ごとではありません。営む人が同じなら、派遣型の届出は1つで、使う店名(呼称)と、依頼を受ける電話番号・メールアドレスなどの連絡先を全部書きます。あとから店名や連絡先を増やしたり変えたりしたときは、10日以内に変更届を出します。新しい店名は、変更届を出してから広告に使います。

Q許可がいる営業ですか?
A

許可ではなく届出です。審査で許可・不許可が決まる手続きではありません。ただ、添付書類が欠けていると届出をしたことにならず、届出確認書が出ても、営業の中身まで認められたことにはなりません。届出のあとも、広告・年齢の確認・従業者名簿などの決まりを守ります。

Q事務所は大阪府内ですが、お客様の多くは府外です。どこに届け出ますか?
A

届出先は、営業の本拠となる事務所の場所で決まります。事務所が大阪府内なら、派遣先や配送先が府外でも、事務所の場所を管轄する大阪府の警察署に出します。

書類づくりから警察署への提出まで、お任せください

大阪府内の警察署に出す無店舗型の届出を、派遣型は報酬88,000円(税込・事務所の平面図を含む。別の場所に待機所を設けるときは1か所22,000円)、通信販売型は報酬74,000円(税込)でお引き受けします。警察署の手数料3,400円は別です。報酬は届出確認書をお渡ししてからの後払いです。確認書が出なければ報酬はいただきません(ご都合で取りやめた場合や、事実と違うことをお伝えいただいていた場合などを除きます)。

参考にした資料

記事の内容は更新日時点のものです。手続きの細かい運用は、申請先の警察署・役所で確認してください。

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